金沢城石垣の「健康診断」!500面に及ぶ石垣を徹底管理する「石垣カルテ」が文化庁の注目を集める理由
2025-08-02
産経新聞
金沢城石垣、まるで生き物のように変化するその姿を「石垣カルテ」で徹底管理
金沢城(金沢市)の石垣は、その500面に及ぶ広さと、多様な築造技術、意匠によって「石垣の博物館」とも呼ばれています。長い年月を経た石垣は、自然の摂理や歴史の変遷の中で、様々な変化を遂げてきました。その変化を見逃さず、適切に管理するため、金沢城調査研究所が長年にわたり蓄積してきた修復記録などをまとめたのが「石垣カルテ」です。独自の経過観察方法が文化庁のモデルケースとして注目
「石垣カルテ」の最大の特徴は、石垣面の微細な変化を逃さない独自の経過観察方法です。まるで生き物の健康診断のように、石垣の状態を詳細に記録し、その変化を分析することで、適切な保全・修復計画を策定しています。この先進的な取り組みは、文化庁からも高く評価され、モデルケースとして注目されています。幕末の絵図発見で、石垣変形の原因究明に一歩
さらに、最近では幕末に発生した大地震の被害状況が描かれた絵図が発見されました。この絵図は、石垣面の変形原因を考察する上で非常に貴重な資料となり、石垣カルテの精度向上に大きく貢献しています。石垣カルテとは?石垣ごとに築造時期や構造を記録
「石垣カルテ」は、石垣ごとに築造時期、使用された石材の種類、構造、修復履歴などを詳細に記録したものです。このカルテに基づいて、石垣の状態を把握し、将来的な劣化や損傷を予測することで、より効果的な保全対策を講じることが可能になります。金沢城石垣の未来を守るために
金沢城の石垣は、城の歴史を物語る貴重な文化遺産です。金沢城調査研究所が作成した「石垣カルテ」は、この石垣の未来を守るための重要なツールとして、今後ますますその役割を担っていくことでしょう。金沢城の石垣についてもっと詳しく知りたい方は、金沢城調査研究所のウェブサイトをご覧ください。